【Be Wild先輩に聞く】「冬キャンは火と向き合う時間に」関西最大級アウトドアショップOrangeの店長 山本さんが話す、冬のキャンプの醍醐味とは
“Be Wild”を実践している人に、生き方や暮らし方、過ごし方、楽しみ方を教えてもらう『Be Wild先輩に聞く』シリーズ。今回は、関西最大級アウトドアショップ『Orange』の店長・山本健介さんに、キャンプの魅力を聞きました。
幼少期からアウトドアが身近な存在だったという山本さん。その言葉のひとつひとつから、“Be Wild”の本質を垣間見ることができました。冬ならではのキャンプの醍醐味も教えてもらったので、これからの季節の楽しみ方の参考にしてみては?
山本健介さん
関西最大級のアウトドアセレクトショップ『Orange(オレンジ)』の店長。幼少期よりキャンプ・バスフィッシング・スキー・サーフィン・カヌー他など父親から教わり、キャンプ・バスフィッシング歴は早三十数年になる。その培った知識で、日々お客様にキャンプの楽しみと笑いを伝える一方、プライベートでは、子供たちと家の庭で焚き火をする事に情熱を燃やしている。三児のパパでもある。
https://shop-orange.jp/
キャンプは自然を楽しむためのひとつの手段
──山本さんがキャンプをするようになったきっかけを教えてください!
もともと親がアウトドア好きで、小学校に入る前から僕にとって家族旅行といえばキャンプだったんです。当時は神戸に住んでいたのですが、信州長野、岐阜、富士山周辺などによく行っていました。ほかにも、バスフィッシングやスキー、サーフィン、カヌーなどもやっていたので、僕にとってキャンプは宿泊手段のひとつという感じで、気づけば自然に楽しむようになっていましたね。現在は僕も3児の父で、自分が子どもたちをキャンプに連れて行く立場です。
──最近では新型コロナウイルスなどの影響もありますが、キャンプ界にはどんな影響がありましたか?
やはりキャンプをはじめとするアウトドアに対する注目は高まっていると感じています。興味はあっても時間がとれなかったりしてなかなか始められなかった人が一歩を踏み出してくれたほか、本格的なキャンプにはハードルの高さを感じている人も、お庭やベランダなど、身近な場所で非日常空間を楽しむために、テントやタープ、テーブルやイスなどを購入してくださるケースが増えました。アウトドアに対する敷居は、コロナ禍をきっかけにだいぶ下がったとは思います。
感覚を研ぎ澄ませて、本能的に過ごせる時間
──山本さんが感じる、キャンプの魅力を教えてください。
僕としては、キャンプの本質って2つあると思っていて。
ひとつが「絆が生まれる」こと。キャンプってどういう遊びかというと、時間と空間の共有です。わざわざ便利な日常から離れて、重たい道具を持っていき、テントを張って、キッチンやリビングをつくって……つまり、自分たちで住まいをつくる作業をします。その共同作業を通して、家族や仲間との絆が生まれると思うんです。
もうひとつは、「日常からの開放」。外に出て、開放的な空間でいつもと違うひとときを過ごせば、純粋に非日常を楽しめますよね。普段の生活から離れることで、日常のストレスがリセットされる。そのための機会でもあるのかなと思います。
──では、キャンプに限らず、様々なアウトドアアクティビティを楽しまれてきた山本さんが感じる、「自然のなかで過ごすことの魅力」は何でしょうか?
自然のなかで時間を過ごすと、すべてを忘れられるというか、無になれるんです。仕事のことも、普段の身の回りのことも忘れて、頭が真っ白になる。それで、釣りでは魚をどうだますか考えることに集中したり、スキーはスピード感に酔いしれるし、サーフィンでは波と一体になれる。みずからが自然に溶け込むことで、感覚が研ぎ澄まされていくんですよね。余計なことを考えず、本能的に過ごすことができるというのが面白さだと感じています。
──まさに、自分が自然と一体になるような感覚。“Be Wild”な体験ですね。では、これからの季節に向けて、冬ならでは自然の楽しみ方があれば教えてください!
鍋ですね。僕にとってキャンプはあくまでも手段なので、おしゃれな料理をするつもりも特になくて。作り方も食材も簡単に済ませる適当鍋です。ただ、自分なりにストーリーを持って選んだ道具を使って、寒い中で食事をするというのが楽しいんですよね。特別なものを食べているわけではないのに、ぜんぜん味が違って感じるんです。普段どおりのものも、非日常空間で食べるとこんなに変わるんだ、ということをぜひ体感してもらえたらと思います。
それと、冬ならではの体験といえば、火のありがたみを身にしみて感じられることじゃないかなと。猿と人間の違いは、火をうまく扱えたかどうか。火は、人類の進化のなかでいちばんのキーポイントになったともいえます。つまり、火がなければ僕たちは存在していなかったはず。冬、寒い中で過ごすからこそ、そんなことにも思いをめぐらせながら、ぼーっとできるのは有意義な時間だと思います。
──たしかに、日常でもぼーっとすることはあるけれど、それは疲れたときだったりします。有意義な「無」の時間を過ごせるのも、キャンプならではの魅力ですね。
そうなんですよね。あえてぼーっとするというか……何も考えなくていい時間だからこそ、自分を見つめ直したり、物思いにふけることができるので。冬は寒いけれど、そのぶん空気が凛としていて、星もよく見えます。そんな非日常空間で焚き火を囲んで過ごす時間は、冬のキャンプの醍醐味なのではないでしょうか。
自然と一体になることで、新しい発見があるかも
幼少期からアウトドアを身近に楽しんできた山本さんだからこそ、「キャンプは目的というより手段」「みずからが自然に溶け込み、本能的になれる」など、その言葉のひとつひとつから“Be Wild”の本質を垣間見ることができました。
余計なことを考えず、非日常空間で過ごすからこそ研ぎ澄まされる、人間本来の感覚。日常を忘れて自然のなかに溶け込んでみることで、忘れかけていた感覚や、新しい自分に気づくことができるかもしれません。
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